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稲積水中鍾乳洞とは

洞内の温度は一年中16度。 夏は涼しく・冬は暖かい、快適の空間。 すばらしい水中鍾乳洞をどの時期にでもじっくりとご覧いただけます。マイナスイオンを感じる洞内で心も体も癒されるひと時を体験してみてください。

水中にくりひろげられる
大自然の造形美

3億年前の古生代に形成された稲積水中鍾乳洞。
30万年前の阿蘇火山大噴火により水没し現在の形を形成しました。洞内には水中鍾乳石や珊瑚石、ベルホール、ヘリクタイトなどが数多く見られ、世界的にも珍しい水中鍾乳洞です。無数の鍾乳石、水深 40mをこえる深渕、未知の洞奥から湧き出る清流、その清らかな水。千変万化の美をおりなす水中鍾乳洞のコントラストは訪れる人たちを幻想の世界へ導いてくれます。

歩いて探検できる洞内マップ

歩いて探検できる洞内マップ

稲積水中鍾乳洞のはじまり

稲積水中鍾乳洞の始まりは、今からおよそ2億数千万年前。はるか大昔、恐竜が生きていた時代で、私たち人類が現れ、やがて長くて寒い氷河期に入ろうとしていたときでした。 ちょうどそのころ稲積水中鍾乳洞のもとになる形(洞窟)ができたと考えられています。

稲積水中鍾乳洞のはじまり

はじまりは2億数千万年前…

そしておよそ8万5千年前に起こった、熊本県の阿蘇山の大噴火によってこの鍾乳洞はすっかり水に埋もれてしまったのです。 その後長い時間がたち、 江戸時代には鍾乳洞の存在だけは知られていましたが、誰も見ることはありませんでした。 そして発見されたのは、現代のこと。ある日白山川で遊んでいた子どもたちが水のなかに“穴”を見つけたのが、なんと鍾乳洞の入り口だったのです。1976 年には潜水探検隊のダイバーによる潜水調査が始まり、日本でも一番長い約1,000 メートルの水中鍾乳洞が確認されました。 今でも調査は続き、2014年2月に行った潜水調査では新たに約300メートルの鍾乳洞が発見されています

洞窟の中に空洞ができるまで

激しい水流の渦巻で出来た穴

かつて洞窟の中に流れていた川や石灰岩の割れ目に入った地下水が長い時間をかけてまわりの石灰岩を少しずつ溶かしながら穴を大きくしまるで人が削ったような大きな空間や変わった形の空間を作ることがあります。 稲積水中鍾乳洞の中でも見られるベルホールもそのひとつ。まるいお椀が壁をくりぬいたような、釣り鐘型のくぼみが天井に伸びていくベルホールは、かつて水に沈んだ鍾乳洞の中で激しく水流が渦巻き、石灰岩を溶かしていったことの証です。

洞窟の中に空洞ができるまで

1滴1滴で形を作る鍾乳石

1滴1滴で形を作る鍾乳石

100年の長い年月

洞窟の中にいくつもあるつららのような鍾乳石。 鍾乳石は、二酸化炭素が溶けた酸性の雨水や地下水が石灰岩の地層をとおりながら石灰分(炭酸カルシウム)を溶かし出し、そのしずくが洞窟の中に現れると二酸化炭素が逃げて固まっていく石灰分の結晶です。したたり落ちる水の1滴1滴で形を作る鍾乳石が1cmに育つまでかかる時間は、およそ100年にもなります。とてつもなく長い年月をかけて、稲積水中鍾乳洞が形成されたことがわかりますね。

フローストーン(流れ石)

激しい水流の渦巻で出来た穴

鍾乳石には様々な種類があります。 壁にそって地下水が流れ落ちながら形を作った鍾乳石を「フローストーン(流れ石)」と呼びます。 表面がうっすら白いのは、まだ成長中のためです。地下水の中に含まれた石灰分は洗い流されることなく年輪のように積み重なっていきます。 いろいろな形を見せる鍾乳石、洞窟の中でぜひ探してみてください。

フロースト―ン(流れ石)

新たな水中鍾乳洞の発見

稲積水中鍾乳洞は今なお研究が進められています。 2014年2月に行った潜水調査では、水中鍾乳洞全体の測量と、本洞最奥部の調査結果が報告され、新たに800メートルもの鍾乳洞が見つかり全長は約1kmになりました。現時点で日本最長の水中鍾乳洞です。

新たな水中鍾乳洞の発見
稲積水中鍾乳洞洞内マップ ※この写真は調査の様子です。一般のお客様は潜水等はできませんのでご注意ください。

調査の様子

迷路のように長く続く水中鍾乳洞を潜って調査するため、ウエットスーツに水中ボンベ、ライトに撮影用カメラと、体一つに全てを持ち、ダイバーは光の届かない水の中を泳いでいかなければいけません。潜水時間も長く、特徴になる目印もありませんので、ダイバーたちは命綱をはりながら道すじを作り、地図のない洞窟を進んでいきます。調査にあたってダイバーたちが張ったロープは約3,000m。そしてまだ、調査は続いているのです。

稲積水中鍾乳洞 第2次潜水調査 2014年2月(1)
稲積水中鍾乳洞 第2次潜水調査 2014年2月(2)
稲積水中鍾乳洞 第2次潜水調査 2014年2月(3)
※この映像は調査の様子です。一般のお客様は潜水等はできませんのでご注意ください。
調査期間
平成26年2月24日~2月27日まで
調査目的
水中鍾乳洞全体の測量と本洞最奥部の調査
調査方法
従来の開放式スクーバシステムに比べて廃棄の泡を極力抑えることができる閉鎖式循環呼吸器(リブリーザー)を使用。 測量は水中で電波を発し、その電波が反射する時間を利用して正確な距離を測定することが可能な携帯式の水中ソナーを使用。
調査結果
既に設置されている全長500mのラインエンドから更に200m以上洞窟が続いていることが確認できた。 更に示現の淵から約150mほど進んだところに支洞を発見。今回は支洞の入り口から約100m進んだところで引き返したが、支洞はさらに奥まで続いていた。正確な測量は次回の調査に実施する予定だが、現時点では確認できた連続した水没部分の全長は約800m以上あると思われる。 以上のことから、水中洞窟としては、秋吉台のサンプ部分320m、沖縄県久米島のガーラガマ(通称ヒデンチガマ)450m、沖縄本島のヒロベガマ総延長620mを抜いて、稲積水中鍾乳洞が現時点で日本最長と思われる
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